そもそも矯正が何故、自費治療なの??
医療保険の対象は「病気」でなければいけないという大原則があります。
しかし、歯並びが悪いことは病気でなないので、いわば「矯正=審美」となり、歯科矯正は医療保険の対象外になっています。
スウェーデンなどでは、未成年の矯正治療は公的な保険が適応され無料です。しかし、世界的にみても保険をつかえる国の方が珍しかもしれません…
保険が効く矯正治療とは?
厚生労働省によると次の3つが矯正治療が保険でできるケースとなります
・顎の外科手術を要する顎変形症の手術前、手術後の矯正歯科治療
・前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするもの)
・「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
専門用語だらけでわかりにくいですよね…すみません、1個ずつ詳しく説明していきます。
顎の外科手術を要する顎変形症の手術前、手術後の矯正歯科治療
顎変形症であれば保険が適応されます。
顎変形症とは著しく下あごが前方に出ている受け口や、もしくは上顎が著しく突出している出っ歯などがあります。
ただ、受け口、出っ歯のすべてが保険適応ではありません!
咬み合わせに異常をきたしており、審美的な問題や、うまく咬めなかったりする機能的な問題など両方に問題があると判断された場合に外科手術が必要な症例を顎変形症と診断されます。
手術しないと治らないぐらいの受け口や出っ歯が対象となります。
実は普通の歯医者さんでこれを診断することが困難です…
子供が成長してきて、異常に下顎が出てきた…顎が曲がってる…保護者も顎を手術した経験があり、子供もそうなる可能性があると思ったら、矯正歯科認定医、専門医に相談してください。
下から調べれられます↓
矯正認定医・専門医一覧
前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするもの)
何らかの原因で3本以上の出てこない前歯があって、歯ぐきを切って引っ張り出す必要のある症例に関しては保険適応となります!
平成30年から保険適応されたばっかりです。
「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
下に記す症候群がある方は、歯並びに異常をきたすことが多いとされます。
そのため、以下のリストを確認していただき、該当する方は矯正が保険適応となります。
- 唇顎口蓋裂
- ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
- 鎖骨頭蓋骨異形成
- トリーチャ・コリンズ症候群
- ピエール・ロバン症候群
- ダウン症候群
- ラッセル・シルバー症候群
- ターナー症候群
- ベックウィズ・ウイーデマン症候群
- 顔面半側萎縮症
- 先天性ミオパチー
- 筋ジストロフィー
- 脊髄性筋委縮症
- 顔面半側肥大症
- エリス・ヴァンクレベルド症候群
- 軟骨形成不全症
- 外胚葉異形成症
- 神経線維腫症
- 基底細胞母斑症候群
- ヌーナン症候群
- マルファン症候群
- プラダー・ウィリー症候群
- 顔面裂
- 大理石骨病
- 色素失調症
- 口腔・顔面・指趾症候群
- メビウス症候群
- 歌舞伎症候群
- クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
- ウイリアムズ症候群
- ビンダー症候群
- スティックラー症候群
- 小舌症
- 頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群、尖頭合指症を含む。)
- 骨形成不全症
- フリーマン・シェルドン症候群
- ルビンスタイン・ティビ症候群
- 染色体欠失症候群
- ラーセン症候群
- 濃化異骨症
- 6歯以上の先天性部分(性)無歯症
- CHARGE症候群
- マーシャル症候群
- 成長ホルモン分泌不全性低身長症
- ポリエックス症候群
- リング18 症候群
- リンパ管腫
- 全前脳胞症
- クラインフェルター症候群
- 偽性低アルドステロン症
- ソトス症候群
- グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
- その他顎・口腔の先天異常
顎・口腔の奇形、変形を伴う先天性疾患であり、当該疾患に起因する咬合異常について、歯科矯正の必要性が認められる場合に、その都度当局に内議の上、歯科矯正の対象とすることができる。
※当局とは、所轄の厚生(支)局です。
どんな歯科医院にかかればいいの?
実は保険で矯正治療できる歯科医院は限られています!
矯正歯科の看板を掲げているすべての矯正歯科医院全てが保険適用されるわけではなく、厚生労働省の指定した、自立支援医療機関または顎口腔機能診断料施設の施設基準を満たしている必要があります。
ここを参照してください→「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」
まとめ
病気に関係している矯正は保険適応となります。もしかして、うちの子あてはまるかも…と思ったら是非、お近くの対応している医院にて確認していください。
矯正治療って高いですよね…保険がきけばいいのに…