
歯科のレントゲンは危ない??

参考サイト:第2章 放射線による被ばく 2.5 身の回りの放射線
2011年3月11日に日本で発生した 東日本大震災によって引き起こされた福島第一原子力発電所事故以来、保護者の中にはレントゲンによる被爆をとても気にされる事が増えてきました。
「レントゲンによる被爆が怖い」
「子供が小さいので年齢が上がるまでレントゲンはちょっと…」
「インターネットで調べたらレントゲンについて恐ろしいことが書いてあった…」
などの理由から歯科でもレントゲンが僕らも取りづらくなりました。
実際に歯科で撮影するレントゲンは危険なんでしょうか??
歯科医院で撮影する小さなレントゲン写真の放射線量は、胃のレントゲン写真1枚(約4 .1mSv)のおよそ100~400分の1、自然界から1年間に受ける放射線のおよそ50~100分の1程度とされます。
思ったより少なくないでしょうか??よっぽど合成着色料が入った食品を食べるより安全です。
また、レントゲンにより影響がうけやすい場所(甲状腺など)に関しては防護服のよってしっかりとカバーさるので被爆の心配がありません。
さらに小児の場合、大きな問題がなければ1年に1〜2回撮影する程度なので、さらにリスクが低いです。
では、次に歯医者でレントゲンを取る必要があるか説明していきます。
何故、歯医者でレントゲンをとる必要があるのか??
下の写真、どこがむし歯かわかりますか??

実はレントゲンを撮影したら、歯と歯の間、6本が全てむし歯になっていました…

僕らも、フロスが引っかかる、色が黒いのなどでぼんやりとはむし歯かな??と想像は出来ますが、レントゲンを撮影しないと、どうしても確定診断はできません。
上の写真のようなケースだと疑いのままで処置するわけにはいきませんよね?もしかして、むし歯が小さいケースでは経過観察も可能なのに削ったらもったいないです…
子供のむし歯の恐ろしい事は、「進行が早く、痛みがでないまま神経が死んでしまうこと」です。
歯と歯の間はむし歯か判断は見た目では難しく、気づかないうちに進行してしまい、穴が空いた時には神経に近い!なんて事があります。
これがむし歯の怖いところです。なのでレントゲン撮影はとても大事なんです。
僕らがレントゲンを取る大きな理由は「お口の中にむし歯の地図」を作成するからなんです。
「ここにむし歯がある」、「こんなところに余分な歯が…」、「神経死んで膿が溜まっている…」
このような状態(観光地)を確認して治療計画(旅行計画)をたてる、そして最短で目的地につく!にはどうしても「地図」が必要となります。
地図が無く、フラフラ回るのも楽しいですが、有名な観光地を見逃す可能性があり、もったいないですよね??
僕ら歯科医師も地図がなければ、むし歯を見逃す可能性があります。治療計画すら立ちません…
なので是非、しっかりとした「治療計画」をたてさせていただければと思います。
実は定期的にレントゲンを撮影する歯医者さんは名医??

「大人が行くならどんな歯医者さんがオススメですか??」
と保護者から質問されてますが、一つの目安としては…
定期的に「お口の中の写真」と「レントゲン」をしっかり撮影するところ!!
を探すのもオススメです
お口の中に写真をとり、見えないところはレントゲンを撮影し、しっかりと管理する歯医者さんは凄くいい歯医者さんだと思います。この作業は手間がかかる割に儲けが少ないけど、患者さんの記録をしっかりと管理できる歯医者さんだと思います。
逆に口の中を少し見ただけで「むし歯ですね、麻酔して治療しましょう」とレントゲンも取らずに簡単に判断する歯医者は逆に危険です…僕なら診療を受けないですね。
まとめ

子供のレントゲンを取るのは難しです、暴れるし、口小さいですし…慣れている僕らでさえも低年齢の子供は撮れないこともあります…だからこそ、しっかりと撮影して説明してくれる歯医者さんは凄いと思います。
レントゲンのリスクは低いです。むしろ撮影しないでむし歯治療をする方がリスクに繋がります。
勿論、必要のないレントゲンは撮影すべきではないです。
良い歯医者さんはしっかりと情報を集めてから治療を行います。
適切な時期に必要なレントゲンを撮影する歯医者さんは決して悪い歯医者ではありません、逆に良い歯医者さんだと思います。
歯医者さん選びの参考にしてください。
子供はなるべくレントゲンを撮りたくないです…レントゲンを取らないと駄目ですか?