〜ある日の診療室での会話〜
皆さん「歯磨き粉=汚れを落とすもの」というイメージが強い方が多いのですが、それ以上に大事な役割があります。 今回は正しい歯磨き粉の使い方・選び方を説明しますね。
歯磨き粉って何故使う必要があるの??
皆さん歯磨き粉って何で使っていますか??
・使うと清涼感があるから??
・研磨剤がはいっていて汚れが落とせるから??
・歯ブラシだけだと磨いた感じがしないから…
人によって様々な理由が考えられますが、歯科医師の僕らが子供に歯磨き粉の使用をすすめる1番の理由は…
歯磨き粉に入っているフッ素がむし歯予防に効果があるからです!
フッ素の効果は??
簡単に説明すると、歯磨き粉に入っているフッ素が歯の周りを覆うことで、むし歯菌からの攻撃をガードする役割があります。
他にも様々な効果があります、気になるかたはコチラを参考にしてください↓
むし歯予防については、他にもキシリトールなど色々ありますが、歴史的に長く研究データーが豊富なフッ素による予防が一般的です。
どんな種類の歯磨き粉があるの??
歯磨き粉には大きくわけてペーストタイプとジェルタイプの2種類があります。
ペーストタイプ
透明感が無く、白い物がペーストタイプです。
何故白いかというと、研磨剤と発泡剤が入っているから白いんです!
研磨剤と発泡剤で汚れを浮かせてとるので、歯の汚れが気になるかたは使用をオススメします。もちろんフッ素も入っているので、汚れも落ちて、むし歯予防にもなりますよ!
ジェルタイプ
ジェルタイプの歯磨きは研磨剤と発泡剤がはいっていません。
そのため、歯や歯肉に刺激が少ないことが特徴となります。また、ジェル状なので口の中に残ってもサラッとしている分、ペーストタイプより口に残っても気になりにくいです。
しかし、研磨剤がはないため、歯の着色には効果が少なく、汚れを落とす効果は少ないです。
効果的な使い分けは??
2つの歯磨き粉の使い方については「シャンプーとリンス」の例えで考えていただくとわかりやすいです。
ペーストタイプは発泡剤と研磨剤が入っていて、しっかり汚れを落とします。
シャンプーのような役割があります。
ジェルタイプは汚れが落ちたキレイな歯をフッ素でコーティングします。
リンスのような役割をします。
2つを合わせるとお口をより綺麗にそしてむし歯予防に効果的に使用できます。
年齢別の歯磨き粉の量とフッ素量の選び方
年齢ごとに歯磨き粉のつける量とフッ素の選び方があるのをご存知ですか??
歯ブラシにつける歯磨き粉の量
おいしいから大量の歯磨き粉を使うお母さんがいますが…
ちょっとまってください!歯磨き粉も医療品です!いっぱいつけては駄目です!
適切な量がありますよ
上記を参考にして、歯磨き粉の量を調整してください。
フッ素量
歯磨き粉に入っているフッ素量には色々あるのはご存じですか??
薬局にある子供用の歯磨き粉ならなんでもいいと思っていたら大間違いです。
実は年齢によってフッ素の上限量が変わってきます。特に低年齢の場合はうがいがうまくできないため、丸呑みしてしまいますので注意が必要です。
上の図は年齢とフッ素上限量を示した物です
・6歳未満:500ppmまで
・6歳〜15歳未満:1000ppmまで
・15歳以上:1500ppm
と実は決められてます。フッ素を過剰に摂取すると体に何らかの害を及ぼすことがあるため、使用に際しては十分に注意が必要です。
逆に低い濃度を使用するとむし歯予防に効果が限定的になってしまいます。
WHO(世界保健機関)によると、1000ppm以上のフッ素配合歯磨き剤ではフッ素濃度が500ppm上がるごとにむし歯予防の効果が6%増加することが報告されています。
年齢が高い子には高いフッ素濃度で効率的なむし歯予防を!
年齢が低く、上手にうがいできない子には低いフッ素濃度で上手にむし歯予防をすることが大事ですよ
どんな効果的な薬も量を間違えると毒にもなりえますし、逆にまったく効果がでないこともあります。
適切な量を心がけましょう!
歯磨き粉の使い方
正しい歯磨き粉の使い方があるのをご存知ですか?
歯磨き粉をつけて、歯を磨いてい口の中に歯磨き粉がなくなるまでうがいをする方法ではフッ素の効果が低減してしまいます。
フッ素をより効果的に使う為の正しい使い方は下のよう方法が一番、むし歯予防に効果的となります。
えっ!15mlってそんな少ない水!?と思われると思いますが、フッ素を効果的に浸透させるにはうがいをいっぱいしてはいけません。よって、子供にも歯磨き後は少しの量でうがいさせるようにしてください。
うがいが出来ない子供は濃度が低い(500ppmまで)歯磨き粉を使用すれば、うがい出来なくても大丈夫ですよ。歯磨き後はそのまま寝かせてもOKです。
また、寝る前に水を飲ますと効果が薄れてしまうので、水を飲んでから歯磨きしてくださいね。
勝手にランキング 歯磨き粉(ペーストタイプ) ベスト3
1位 Check-Up kodomo(ペーストタイプ)
- フッ素滞留性を高めた独自の新処方。
- フッ素が口腔内のすみずみまで広がりやすいソフトペースト。
- 歯や歯肉にやさしい低研磨性。
- 少量洗口に適した少ない泡立ち、やさしい香味。
- お子様に好まれる3つの香味とかわいいキャラクター。
6歳以上 (ストロベリー・アップル・グレープ)
最近では6歳未満のお子様が安心して使用できる500ppmFのペーストのCheck-Up kodomo 500も発売されました。歯科医院ではこの歯磨き粉を売っている所が多いと思います。
6歳未満
2位 バトラー エフペーストこども
- フッ素配合で、歯の再石灰化を促進し、むし歯になりやすいこどものむし歯を予防します。使うたびにむし歯に負けない強い歯へ導きます。
- 幅広い年代の子どもが使いやすいフルーツミントの香味を採用しています。
むし歯予防を徹底的に考え抜かれた商品です。味が1種類しか選べないの残念です…
3位 クリアクリーン キッズ
むし歯を防ぐフッ素と、キシリトール(カルシウム補給助剤)配合。
ソフト顆粒(清掃剤)で、歯のすき間の歯垢もすっきり落とします。
仕上げ磨きしやすい泡立ち控えめタイプです。
値段が安く、使いやすい歯磨き粉です。味も多いです。
勝手にランキング 歯磨き粉(ジェルタイプ) ベスト3
1位 Check-Up GEL (ジェルタイプ)
- フッ素滞留性を高めた独自の新処方。
- フッ素が口腔内のすみずみまで広がりやすいソフトジェル。
- 研磨剤無配合。
- 少量洗口に適した少ない泡立ち、やさしい香味。
- ライフステージに応じた3種類5香味
僕の医院でも売っているのもこのシリーズです。特にジェルタイプは味が多くて使いやすい!子供達からも好評です。低年齢(6歳未満)の子供にも対応しているのがこの商品の素晴らしいところです。
ジェルタイプならこの商品を買っておけば間違いないです。
歯科医院ではこの歯磨き粉を売っている所が多いと思います。
ジェルタイプなら絶対王者です。
6歳以上 (グレープ・ピーチ・レモンティー・ミント)
6歳未満(バナナのみ)
2位 こども用はみがき(GC)
こどもが好きな3種類のフレーバー(オレンジ、ストロベリー、アップルミント)があります。
かわいいキャラクターのパッケージで楽しみながら歯みがきができます。
フッ素とキシリトールを配合しています。
歯科専売商品です。フッ素とキシリトールの両方が含まれており、効率的にむし歯予防が出来ます。
しかし、低年齢(6歳未満)に使える商品が無いのが残念です…
3位 BMDウォーターゲル950F
発泡剤・研磨剤を無配合。
水へのフッ素の分散も他のものと比較して良好で、スーと口の中になじみます。
さらっと溶けて、違和感が少ないです。歯磨き粉が嫌いな子供でも使いやすいです。
デメリットは味がすくない…低年齢(6歳未満)に使える商品が無い…のが残念です。
番外編 オススメ!歯磨き粉
MIペースト
「初期むし歯が出来てしまった…」と悩まれているお子さんにオススメの歯磨き粉です!
MIペーストとは?
豊富なミネラル(カルシウム、リン)や口腔内環境の中和作用と緩衝作用をもつCPP-ACP(リカルデント)を含んだ全く新しいコンセプトの製品です。
ブラッシングの後に、MIペーストを歯に塗るだけのむし歯の再石灰化を促します。
※牛乳にアレルギーがある方は使用が出来ません。
詳しく知りたい方は下の記事を参考にしてください↓
歯医者さんで歯磨き粉を使ってください!と言われました。どんな歯磨き粉が子供には良いのですか?使い方も教えてください。